頭痛について~第2回~
今回は、前回に引き続き「頭痛について」です。
入院治療が必要になることが多い頭痛について説明します。またその他として頭の中が原因でない頭痛についても述べます。
脳卒中
くも膜下出血の場合は、今まで経験したことのない激しい頭痛があり、吐き気や嘔吐があったり意識を失うことがあります。まるで後頭部をバットで殴られたようだったと表現する方があります。
脳出血の場合も頭痛と共に吐き気があったりします。血腫の場所や大きさにより症状はいろいろですが麻痺や意識障害が生じたりします。
いずれも命にかかわる病気ですのでこのような症状がある時は迷わず病院への救急受診が必要です。
脳動脈解離
動脈の壁が裂けたようになって、出血したり血管がつまって梗塞を起こしたりします。
椎骨動脈という後頚部から後頭部に入る動脈に生じることが多く、その部の強い痛みを引き起こすことがあります。疑わしい時はMR検査が必要です。
脳腫瘍
脳腫瘍による頭痛は突然ではなく徐々に起こってきます。頭痛だけでなく手足のしびれや麻痺、しゃべりにくさ、目の見えにくさ、認知症のような症状を伴う時は迷わずに脳神経外科や脳神経内科を受診してください。手術が必要になることが多いです。
髄膜炎
ウィルスや細菌感染が原因で生じることが多くいずれの場合も発熱や倦怠感などの風邪のような症状から始まり炎症が脳にまで波及すると頭痛、意識障害、けいれん、項部硬直(首が硬くなる)などを生じます。やはり入院が必要です。
慢性硬膜下血種
脳の表面に血液が貯留し脳を圧迫することにより頭痛、頭重感、麻痺などが生じます。中年以降の方に多く、症状の出る1~2か月前に頭部打撲のあることが多いです。またアルコール好きの方に多い傾向があります。手術が必要になることが多いです。
その他の頭痛(頭の中が原因でない頭痛)
緑内障
急性緑内障発作といい中高年者に多いです。くも膜下出血のように突然始まることがあります。目の奥の激痛、嘔吐、結膜の充血などが起こります。眼科的救急疾患であり眼科での治療が必要です。
熱中症
高温の場所での作業に脱水が加わったりするときが典型的ですが、夏場であれば屋内でも起こります。頭痛、倦怠感、発熱が主症状ですが、まず熱中症を疑うことが大切です。
副鼻腔炎
副鼻腔炎の起こった場所によって痛みの場所が変わることがあります。前額部や頬から目の下の痛みの痛みであることが多いです。耳鼻咽喉科での治療が必要です。
🌼最後に🌼
以上のように頭痛を引き起こす原因は数多いため、安易な自己診断は禁物です。
気になる時は脳神経外科、脳神経内科などの専門医を受診してください。