認知症のような症状をおこす病気について
こんにちは。理事長の吉野です。
秋も深まり、朝晩がだいぶ肌寒くなってきました🧤🧣
さて、今日は題名にあるように「認知症のような症状をおこす病気」についてお話したいと思います。
アルツハイマー型認知症に代表される認知症とは、脳の病気や障害など様々な原因により認知機能が低下し、日常生活全般に支障がでてくる状態をいい、症状の進行を遅らせることはできても、回復が難しい病気です。
もちろん早期に診断をして、内服薬服用やリハビリテーションを行うことで進行を遅らせることが大切です。
見逃してはならないのは、認知症のような症状があっても回復可能な病気です。認知症と区別するために「治療可能な認知症(treatable dementia)」と呼ばれています。
以下のような病気があげられますが、これらの病気は脳神経外科による手術により認知機能障害はなくなることが多いです。
・慢性硬膜下血腫:軽微な打撲が原因のことが多く、アルコール多飲者に多いと言われています。脳の表面に血種がたまり、脳を圧迫します。
・正常圧水頭症:脳の中の脳室という場所に水(髄液)がたまって脳機能が障害されます。
・良性脳腫瘍:例えば、前頭葉にできた大きな髄膜腫という脳腫瘍などが脳を圧迫することで認知機能が障害されます。
その他内科で扱う病気でも認知機能が障害されることがあります。
甲状腺機能低下症、高齢者てんかん、電解質異常(低ナトリウム血症)、慢性薬物中毒(多剤服用、抗不安薬、睡眠薬など)、うつ病、ビタミンB欠乏症などがあげられます。
認知症の疑いがあるときには、認知症の診療ができる医療機関を受診することが大切であることを理解していただければ幸いです。